MMDS大阪大学 数理・データ科学教育研究センター
Center for Mathematical Modeling and Data Science,Osaka University

資産価格変動に関する高次モーメントとリスクプレミアム

佐々木洋 (一橋大学)

大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第45回(CSFI-CRESTジョイントセミナー)

資産価格変動に関する高次モーメントとリスクプレミアム

佐々木洋 (一橋大学)

本講演では, 金融資産価格に関するリターン分布の高次モーメントが資産価格形成に対して与える影響を考察することを目的として行った最近の研究の中で, 主に以下の2 つのテーマを中心に, その内容を報告する.

まず講演の前半では, 金融オプション市場の価格形成から示唆されるボラティリティリスクプレミアムの存在と, 同リスクプレミアムがオプション価格に対して与える影響に関して, 実証的な観点から考察した結果を報告する. 同報告では, 特に2008 年9 月のリーマン危機以降において, オプション価格に対するボラティリティリスクプレミアムの影響が過去と比較して相対的に増大していることを実証分析によって確認すると同時に, オプション価格評価モデルに関するUncertainty (Model uncertainty) の影響も同価格に対して無視出来ないインパクトをもたらしていることをヒストリカルシミュレーションによって明らかにする.

また, 講演の後半では, Bansal and Yaron[2004] のLong Run Risk モデルを拡張し, 一般均衡市場において資産価格リターンの分散(Variance) や歪度(Skewness)など高次モーメントに関するリスクプレミアムを考察する. Consumption Growth Process が確率ボラティリティとジャンプを同時に含むケースを対象とし, Epstein-Zin 型Recursive Utility を前提としたAsset Pricing Equation から確率ボラティリティファクター, ジャンプファクター, 各々に由来するPrice of Risk を求めると同時に, それらのPrice of Risk を用いて分散リスクプレミアム(Variance risk premium), 歪度リスクプレミアム(Skewness risk premium) などの高次モーメントに関するリスクプレミアムを理論的, 実証的観点から具体的に考察する.

講師: 佐々木洋 (一橋大学)
テーマ: 大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第45回(CSFI-CRESTジョイントセミナー)
日時: 2013年02月15日(金) 14:40-16:10
場所: 大阪大学大学院基礎工学研究科 (豊中キャンパス)I 棟 204号室
参加費: 無料
参加方法:
アクセス: 会場までのアクセスは下記URLをご参照ください。
http://www.es.osaka-u.ac.jp/access/
お問い合せ: 本ウェブサイトの「お問い合せ」のページをご参照ください。