MMDS大阪大学 数理・データ科学教育研究センター
Center for Mathematical Modeling and Data Science,Osaka University

バーゼル規制の動向と金融機関の信用リスク管理について

廣中純(野村アセットマネジメント)

大阪大学 数理・データ科学セミナー 金融・保険セミナーシリーズ 第90回

バーゼル規制の動向と金融機関の信用リスク管理について

廣中純(野村アセットマネジメント)

 銀行等の金融機関はバーゼル規制の下で, 保有するポートフォリオの信用リスク量に基いて, 経営の健全性を示す指標である自己資本比率を算出する. 2007年に端を発したグローバルな金融・経済危機を契機にバーゼル銀行監督委員会が導入したバーゼルⅢは, 金融機関に対して自己資本の質・量の更なる改善を要請するものであり, 昨年12月にその枠組みがようやく最終化された.
 しかし, 金融機関の自己資本比率の水準はマクロ経済要因に大きく左右されるため, その水準を安定的に維持することは容易ではない. そのため金融機関は, マクロ経済要因や社債等のクレジット市場における信用リスクの変動を踏まえつつ保有するポートフォリオの信用リスク管理を行なっていく必要がある.
 かかる状況の中で, 最終化後のバーゼルⅢでは, 標準的手法, すなわち,格付会社が提供する外部格付を参照しつつポートフォリオの信用リスク量を計測する方法に関して様々な改定がなされた. その結果, 自己資本比率算出時に分母となるリスク・アセットの計測に標準的手法を適用する金融機関は, 信用リスクのある保有ポートフォリオについて, 外部格付の変動を踏まえたより厳格な信用リスク管理を要請されることとなった.
 本セミナーではまず, グローバルな金融規制であるバーゼルⅢの動向が金融機関の信用リスク管理に及ぼす影響について概観する. 次に, 金融機関が保有するポートフォリオに内在する信用リスクの可視化を目的に, マクロ経済要因や過去の信用イベントの影響等をファクターとした信用リスク管理モデルに関する先行研究のいくつかを紹介するとともに, 当該モデルに基づいて日本のクレジット市場全体における信用リスク変動要因の説明を試みる.

講師: 廣中純(野村アセットマネジメント)
テーマ: 大阪大学 数理・データ科学セミナー 金融・保険セミナーシリーズ 第90回
日時: 2018年01月26日(金) 16:20-17:50
場所: 大阪大学豊中キャンパス法経大学院研究棟505セミナー室
参加費: 無料
アクセス: 会場までのアクセスは下記URLをご参照ください。
http://www.econ.osaka-u.ac.jp/access.html
お問い合せ: 本ウェブサイトの「お問い合せ」のページをご参照ください。