MMDS大阪大学 数理・データ科学教育研究センター
Center for Mathematical Modeling and Data Science,Osaka University

非線形現象解析

鈴木 貴

集中講義

非線形現象解析

鈴木 貴

連続講義:J.リュービルの5日間(鈴木貴)         
場所:大阪大学基礎工学研究科I407(豊中キャンパス)
日時:2018年1月29日‐2月2日、4限、5限、6限(1440-1930)

リュービルの名を冠したいくつかの定理は、学部レベルの数学専門教育で現れ、いずれも解析学において基礎的で不可欠な役割を果たしている。抽象数学の確立した現在、ひとつひとつの定理を理解することはさほど困難ではないが、全体としてこれらの定理は一体何を言おうとしているのであろうか。本講義ではスペクトル理論、楕円型理論、曲面論、輸送理論を取り上げ、最新の成果に触れることで、これらが現代数学の視点からどのように見直すことができるかを解説し、さらに一見別々に見えるこれらの定理が、自己組織化という視点から融合し、新しく生まれ変わっていく様子を概観する。

第1日(29日) スペクトル理論
 1. 固有値問題と固有関数展開 
 2. 比較原理と交叉数 
 3. 逆Sturm-Liouville問題:一意性とτ関数

第2日(30日) 楕円型理論 
 1.調和関数と特異点 
 2.半線形楕円型方程式の大域解 
 3.爆発解析と解の存在・非存在 
 4.球対称解の構造

第3日(31日) 曲面論
 1. 微分形式と接続 
 2. 基本量と等角座標
 3. ボルツマン・ポアソン方程式のリュービル表現
 4. シャボン玉と四元数

第4日(1日) 輸送理論
 1.流束と体積微分
 2.断面曲率と非標準的楕円型正則性
 3.リプシッツ領域上のグリーン関数
 4.アダマール変分とガラベディアン・シッファーの公式

第5日(2日) 自己組織化のポテンシャル – 一つの融合
 1. 血管新生と細胞変形:数理腫瘍学における輸送現象
 2. エントロピー生成最大原理:物質階層の循環
 3. ロッカ・ボルテラ系のシンプレティック幾何:可積分性崩壊の熱力学

講師: 鈴木 貴
テーマ: 非線形現象解析
日時: 2018年1月29日~2018年2月2日
場所: 大阪大学基礎工学研究科 I407 (豊中キャンパス)