MMDS大阪大学 数理・データ科学教育研究センター
Center for Mathematical Modeling and Data Science,Osaka University

Conditions for existence of solutions to the Monge problem on the embedded sphere with Euclidean distance squared cost

北川 潤 (Princeton University, the University of British Columbia)

大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第37回(CSFI-CRESTジョイントセミナー)

Conditions for existence of solutions to the Monge problem on the embedded sphere with Euclidean distance squared cost

北川 潤 (Princeton University, the University of British Columbia)

最適輸送問題(Monge問題)とは、二つの測度空間を与えられた場合、その直積上で定義されたコスト函数を最小化するようなmeasure preserving写像を求めるものである。この問題は18世紀にG. Mongeによって提起されたものであるが、1940年代にL. Kantorovichにより拡張されたのち、1990年代に入ってから爆発的な進展をとげている。Monge問題は偏微分方程式、幾何学、確率論などに関連性があるが、経済、視覚情報処理などの数学以外の分野にも多くの応用が見られる。

本講演の前半ではMongeおよびKantorovich問題の存在などに関する基本的な理論を紹介する。また、正則性の研究において重要な役割をもつMonge-Ampere型偏微分方程式との関係も導く。後半では一つの例としてn次元の球面上でのn+1次元のユークリッド距離の二乗をコストとした場合を挙げる。この場合、W. GangboとR. McCannによってKantorovich問題の解は唯一存在することが証明されているが、同時に(Twistと呼ばれる条件をコストが満たさないため)、従来の条件のもとでもMonge問題の解が存在しない例題があげられている。ここで、球面上で与えられた二つの測度に条件を加える事でMonge問題の解の存在を導く事ができることを紹介する。後半の内容はプリンストン大学のM. Warrenとの共著を元としている。

講師: 北川 潤 (Princeton University, the University of British Columbia)
テーマ: 大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第37回(CSFI-CRESTジョイントセミナー)
日時: 2011年07月25日(月) 16:20-17:50
場所: 大阪大学大学院基礎工学研究科 (豊中キャンパス)I 棟 204号室
参加費: 無料
参加方法:
アクセス: 会場までのアクセスは下記URLをご参照ください。
http://www.es.osaka-u.ac.jp/access/
お問い合せ: 本ウェブサイトの「お問い合せ」のページをご参照ください。