階層ベイズ・モデルによる資本コストの推定
中妻照雄 (慶應義塾大学経済学部准教授)
大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第29回
階層ベイズ・モデルによる資本コストの推定
中妻照雄 (慶應義塾大学経済学部准教授)
アナリストやファンド・マネジャーなどの実務家が行う投資判断は過去の経済・金融データのみならず実務家が持つ主観情報に大きく依存している.しかし,多くの実務家が主観情報を利用していることを明確に認識した上でそれを体系的に活用しているとは言い難い.今回報告する研究では実務における企業価値評価法のデファクト・スタンダードとなっているDCF法の割引現在価値の公式をベイズ的意思決定の立場から再解釈し,割引率としての資本コストを主観情報を反映させてマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法によってベイズ推定する方法を提案する.本研究が提案する方法は従来のベイズ推定と異なりレバード・ベータとアンレバード・ベータの区別を明確にした上で,Modigliani-Millerの定理に由来する両者の間に成り立つ階層構造に着目して階層ベイズ事前分布を構築し,マルチファクター・モデルのベイズ推定を通して資本コストの評価を行うものである.応用例として自動車産業の資本コストのベイズ推定を Fama-French 3-factor modelに基づいて行い,市場ポートフォリオの期待超過収益率に関する感応度分析もあわせて実施した.
講師: | 中妻照雄 (慶應義塾大学経済学部准教授) |
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テーマ: | 大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第29回 |
日時: | 2009年09月18日(金) 16:20-17:50 |
場所: | 大阪大学基礎工学研究科I棟 204 |
参加費: | 無料 |
参加方法: | |
アクセス: | 会場までのアクセスは下記URLをご参照ください。 http://www.es.osaka-u.ac.jp/access/ |
お問い合せ: | 本ウェブサイトの「お問い合せ」のページをご参照ください。 |