大阪大学　数理・データ科学教育研究センター
Center for Mathematical Modeling and Data Science,Osaka University

確率的介入に基づく因果効果とその推定方法

山本 倫生（大阪大学 大学院人間科学研究科 行動統計科学研究分野 准教授）

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AI・データ利活用研究会 第49回

確率的介入に基づく因果効果とその推定方法

山本 倫生（大阪大学 大学院人間科学研究科 行動統計科学研究分野 准教授）

統計的因果推論においてよく利用される因果パラメータは、処置の水準（例えば、処置が治療法であれば新規/既存治療などの治療法の種類）を固定したもとで起こりうる結果を、各水準間で比較することで定義されます。一方で、個人の1日の運動時間のような直接的に操作することが難しいものが興味のある処置の場合、ある処置の水準に固定したもとでの結果に基づく因果効果を考えることは妥当でないかもしれません。そのような場合に対応する方法として、処置を確率的に割り付けたもとでの結果を比較する確率的介入を利用する方法があります。本講演では、統計的因果推論の基本的な事項から説明し、確率的介入による因果効果の定義とその推定方法、さらに、近年の関連する研究について紹介します。