MMDS大阪大学 数理・データ科学教育研究センター
Center for Mathematical Modeling and Data Science,Osaka University

センター長メッセージ

センター長:太田  亘
センター長:太田  亘

数理・データ科学教育研究センター(Center for Mathematical Modeling and Data Science,以下,MMDSと略)は2006年に設立された金融・保険教育研究センター(Center for the Study of Finance and Insurance,以下CSFIと略)を前身とし,金融・保険,モデリング,データ科学の3部門からなる教育研究センターとして,2015年10月に設立されました。日々複雑化し,多様化する現代において,急速な技術革新をリードし,変化する社会情勢に立ち向かう知力と知性を育成するためには,従来の枠組みにとらわれない,横断的な教育プログラムが整備されなければなりません。MMDSは文理融合,数学イノベーション,データサイエンスの3つの要素を融合させ,産学連携,社学連携,国際連携の下にこの要請に応えていきます。

 近年の金融取引の高度化にともない,金融機関でも確率・統計をはじめとした高度な数学の知識や計算機の知識を持つ人材が必要となっています。金融・保険部門は,文理に通じた人材供給という社会へのニーズに応えます。数理モデリングは,複雑な現象を分析し,与えられた条件を明確にしてモデルを作り,そのモデルを数理科学的に扱って問題解決を行うもので,現代において不可欠な科学技術となっています。モデリング部門は数理モデリングと数値シミュレーションを担う人材を育成します。データ科学は,研究や技術・サービス開発のために,大規模・大量データ(ビッグデータ)とICT(情報通信技術)をフルに活用したデータ駆動型な方法です。世界的に人材育成が進んでいますがなお不足していると言われています。データ科学部門は現在の我が国において喫緊の課題と言われている,データサイエンティストの育成に取り組みます。

 MMDSはCSFIによる9年間の教育プログラム「金融・保険」を継承し,2015年度から「大学院副専攻プログラム(金融・保険)」及び「大学院等高度副プログラム(データ科学)」の提供を開始し,2016年度からはシミュレーション科学と理論科学の融合を進めるため「大学院等高度副プログラム(数理モデル)」を追加しました。大阪大学の副専攻プログラム・高度副プログラムの中核を担っており,これまで多くの受講者を受け入れています。これらの実績は社会的に高く評価され,MMDSは2017年度から文部科学省による共通政策課題「数理及びデータサイエンスに係る教育強化の取組への支援」の全国6拠点の一つに選定されました。MMDSはその期待に応えるべく,全学の学部生を対象とする教育研究に従事する部署として,数理科学ユニットとデータ科学ユニット、情報科学ユニットを加えました。また2017年度には「データ関連人材育成関西地区コンソーシアム」の中核的な教育研究実施部局として,博士課程後期副プログラム・社会人教育にも携わっています。さらに高度AI人材育成プログラムを推進しています。MMDSに与えられた社会的な使命を達成するためには,関係者の皆様方のさらなるご支援ご協力が必要となっております。各部門,各ユニットが主催するセミナーシリーズ,ミニレクチャーシリーズ,講演会,スタディーグループも充実させ,国際的に高まる数理・データサイエンティストの需要に応えるべく,邁進していく所存でございます。本年も引き続き,関係者の皆様のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2024年4月
大阪大学 数理・データ科学教育研究センター長
太田  亘